2019年9月27日金曜日

スタンス時のつま先の方向は?


Question

アドレス時、足のつま先の開くメリットとデメリットを教えて下さい。
個人的にはフィニッシュがとりやすいので開いた方がいいかと思い、
試してみようかと思っています。


Answer

現在の主流は逆ハの字で構えるスタイルです。
それ以前は右足だけ目標に対して直角にして左足だけ開いていました。
これは右脚に張りを持たせて安定させるためでした。

ところが30年ほど前から欧米選手達が腰を止めてワインディングをすると言う
打法に進化させてからは脚ではなく胴回りに張りを作って、脚ではなく上半身と
下半身の間に捻転差を作って張りをさらに強くしたのです。
この新しい打法の走りがフレッドカプルスやデイビスラブでした。

テイクバック時に腰を止めて上半身を捻じり上げると体に張りができて緩みがな
くなりミート率が上がる事と、この捻じれの戻りがパワーになる事でこの技が組
み込まれたのですが、この際に右脚は蹴りを入れてさらに飛距離を出す技も組み
込まれました。

これによって右足に張りを作っていたのが上半身と下半身の間の捻転差で張りが
できて必要なくなった事と、右足で地面を蹴る際には右足のつま先は開いた方が
蹴り易い事からハの字にスタンスするようになったのです。

ゲイリープレイヤーが最近の若手選手に右足を開くなと指導していたのですが、
彼はクラシック時代の打法で中期に頑張った実績があり、その時代のスター選手
でしたので若手選手達は一切逆らわずに黙って話を聞いていました。
彼はこの進化に気が付いていなかったのです。

同じアメリカでもこのように時代によって打法が進化しているために、古い打法
のフォームや動作を推奨する指導者が多いのですが、これが情報の混乱の一つの
原因でもあります。

また、左足のつま先を開くのはフィニッシュで左脚が捻じれるため、あるいは左
に突っ込み易い打法だったために止める役目などがあり、関節を傷めないように
したりスタンスが安定すると言うメリットがありました。

これは昔の打法で左膝を曲げたまま左に体重を乗せてからインパクトと言う打ち
方だったため、それを今の打法に組み込むと膝への負担が大き過ぎて怪我をする
可能性があります。

30年前に進化したモダン打法はインパクトでは右足に体重が9割乗っており、
左膝は伸びるためにさほど怪我をする事がなく、また左脚で蹴る超高速打法など
はスタンス時の左の足の位置はフィニッシュ時とは違うため、足首や膝があまり
捻じれなくなっています。

左のつま先は昔から開いていたのですが、左足のカカトを上げていた中期までの
打法は着地する際にカカトを内側に入れてフィニッシュではさらに開いた形にし
て脚の捻じれを防いでいました。

パワーを出し、正確性を追求し、そしてさらに怪我をしないようにと工夫がなさ
れたために打法は大きく進化してきたのです。

一部分だけを真似するのではなく、このようにそれぞれの形にはその理由があり
ますので、その打法の全てを真似する事や理に適った方法で組み込む事が大切か
と思われます。




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