2013年9月13日金曜日

レイドオフ打法


レイドオフとはトップの位置でシャフトが外を向いている形をいい
クロスの反対のことを表現したものです。

これをわざとする打法があり、最近の世界のトッププロ達に
静かに広まっています。

http://www.youtube.com/watch?v=qj2MlOQswWo


ではなぜレイドオフにするか・・


球は左に置くほどヘッドのスピードが上がっているため
できれば左で打ちたいという人や、また左一軸や体中心軸打法では
球を通常より左に置かないとプッシュアウトし安いタイミングになります。

背骨軸でも通常よりも球を左に置いて打つと飛距離が伸びます。
しかし、通常よりも球を左に置くと左に引っ掛けたり
アッパーブローが激しくなるだけで球は高く上がって飛距離は伸びません。

ところが極端にハンドファーストにして球と手がインパクトで
垂直(前から見て)になる角度以上で打てば、さほど上がらない上に
HSが最高に上がった位置で打てるというのがこの打法のメリットです。

多くの選手達は体から左の外に出した位置でDRを打っています。
飛ばし屋と言われる選手達はほとんどがこの傾向にあります。
ダスティン・ジョンソンなどはレイドオフ打法で350Yほど跳ばします。


この場合、球が左で普通に打つと、クラブが返り過ぎて左に引っ掛けます。
それを防ぐために、左手の手首を手の平側に曲げて
フェイスを返さずにハンドファーストにしてインパクトにすると
フェイスが寝ないようにストレートに低く打つことができます。

通常は左手首を手の甲を伸ばしてこれに近い形で打っていたのですが
これを極端にやるのがレイドオフ打法です。

そしてこのインパクトの状態を作るには、ダウンスイングで徐々に手の甲を伸ばすのではなく
トップの位置ですでに左手首を手の平側に曲げるとそのまま下ろして来れるので
トップに到達した時点で左手首を極端の曲げてしまいます。

したがってトップではシャフトは低い後ろの位置になります。
この形がレイドオフなのでレイドオフ打法と名付けられています

パンチショットでもインパクトでは手の甲はアドレス時以上に伸ばして平らにし
ロフトが寝ないようにハンドファーストで打つと低く打てるので
トッププロの多くはこの手首の使い方を利用して左で打っても引っ掛けず
上がらずの球を打っています。

最近はスクエアで上げてトップでレイドオフにする打法や、インサイドインの
シャットフェイスでテイクバックしてトップでレイドオフにする打法も試されています。
ただ、この場合はトップで8の字や円を描いて安定度が下がります。

また、トップでシャフトがレイドオフの位置に来るようにするには
手首を曲げるだけではなく、左腕のローテーション(骨を中心とした回転)
の度合いを上げてもっと回転させると同じ位置に行きます。
ただ、この場合はフェイスがオンプレイン以上に開いてしまいます。

この場合は手首が曲がっていないのに、クラブだけレイドオフの位置に行きますので
これは本来のレイドオフの打法とは異なりますが、レイドオフとする分類もあります。

http://www.youtube.com/watch?v=McIREB9MAMo


上のヤニー・ツェンの打法はヘリコプター打法と分類するアナリストとこれもレイドオフ打法
だとするアナリストの対立が現在ありますが、違いは球の高さです。
どちらも左で打つことができますが、ヘリコプター式は球が高く上がり、
手首の甲を伸ばしてハンドファーストにすと出球が低くなるので、
目的に応じてどちらを採用するかを選択すれば良いことだと思います。


世界の進化の傾向として、このレイドオフ打法の手首を曲げる技法が良く見られるのですが
このシャットフェイスで下ろして来る形はフェイスの開きと閉じの角度が小さく、
よりパターの動きに近くミスや方向幅が少ないので、
進化は現在S&Tも同様にこの方向に進んでいるようです。

ただ、この場合はダウンスイングにおいてヘッドの軌道と手の軌道の二平面ができてしまいます。
この二平面はヘッドの軌道を安定させるのに難易度が高く、あまり採用されていませんでした。
ところが最近の欧米のトップ選手達の間では球を左に置いて飛距離を出しながら、なおかつ
高く上がらない打ち方として人気が出ています。

そして長年の軌道を変えずにそのまま手首を曲げるとそのまま打てるので、軌道を一面にせず
そのまま打っている選手がほとんどです。
ただ、スイング理論的には二面はブレのもとになりますので、これを一平面上でしかも
手首を曲げてより左で打って球が上がらないようにするには、ローテーション(左腕の
骨を軸とした回転)を少なくすることです。

ところが、この修正をするとトップではむしろヘッドがレイドオフの位置である後ろにならず
レイドオフ打法とは呼べないことになってしまいます。

このフォームは新たな名前が付くとは思いますが、こちら方面で理論的に理想とされるのは
より左で打てて(HSが高い)しかも高く上がらない、そして一平面上に
手とヘッドの軌道がある、この打法かも知れません。




1 件のコメント :

  1. 初めまして。理路整然と書かれていてスゴイです。バンプのキーワードからこちらのサイトに辿り着いたのですがとても参考になります。今後もぜひこのような記事を書いていただけることを願っています。ありがとうございました。

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