2013年9月13日金曜日
パティング
Drive is show, Pat is dough.
ドライバーはショーであり、パットがお金だという言葉があります。
それだけパティングは重要なのですが、技術や動作よりも
ライン読みやメンタル面の比重が大きいものパティングです。
練習できる技術は真っ直ぐに打つことと、思った距離を打つことだけです。
1 方向性
グリーン上ではマーカーを使って球を拭くことができます。
そして、また球をその場所に置く時に球に書いてある線を目標ラインに合わせ
その線にパターの線を直線で合わせるか、パターに線がない場合は
フェイス面を直角にして合わせます。
出球方向はインパクト時のフェイスの向きで決まります。しかし、その前後を確認することで
インパクトの一瞬の方向がより安定します。
大きなスイングと同じように、テイクバックの軌道やフォローの方向などで
出球方向が決まります。
打ち方はフェイスをしっかりと目標方向に向けたままストロークすることが
一番誤差を少なくする方法です。
テイクバックの軌道も飛球線上後方に直線で上げ、フォローも飛球線方向に
直線で出す打ち方が理想的で、円運動や適当なストロークはミスや誤差を生じ易く
練習はこの部分に集中して行います。
初心者が早く上達するには、できるだけ誤差の少ない物理的にシンプルな動きが大切で、
熟練した30年もの経験者と同じことはできません。
真っ直ぐに直線でストロークするには、肩の動きを変えます。
ストロークは背骨や体の中心を軸としてショルダー・プレインを
直角にして回転させることが基本ですが、その場合
前傾角度を直角にして(ミッシェル・ウィーが試しているが)パターを天井から
吊るしたような形でスイングさせるしか方法がありません。
ところが、テイクバックで右肩を上げ、ダウンスイングで左肩を上げると
フォローは打ち上げ軌道となって上から見ると飛球線方向に直線でヘッドが移動します。
中級者がショートパットで引っ掛けが止まらないことがあるのですがこの打ち方で治ります。
これはS&T打法の肩の動きと同じで、両肩を上下させる運動によって軌道を変えることができ
室内では壁にパターのトウを密着させたままスイングして練習します。
同時にフェイスも常に飛球線に対して直角であることが大切で、振り幅のどこを取っても
目標に向いていれば、方向的に打ち間違えようがありません。
2 距離感
距離は感覚と計算の両方で行います。
距離感という感覚がまだ出来上がっていない初心者は
半分しか打てなかったり、倍の距離をオーバーしたりしますので
最初は100%計算で距離を出します。
短い距離は良いのですが、4~5m以上離れると距離が分かりにくくなりますので
歩測をしてはっきりとした距離を計測します。
歩測は1Yでも良いし、70cmの一歩でも構いません。
その一歩に対して、テイクバックを2cm、あるいは3cmと計算のし易い数値を決め
5歩の場合には5x2cmで10cmのテイクバックで打ちます。
上りのラインはそれに20%振り幅を増やしたり、速いグリーンの場合は
基準から30%引いた振り幅でストロークして打ちます。
この方法はストロークの速度と力を必ず一定にする必要があり、練習は
自宅や事務所など、ゴルフ場でなくてもできます。
力と速度を一定にして、一生変えないことです。
変えるのは振り幅だけです。
ただ、計算だけでストロークをしていると、いつまで経っても距離感が身につきませんので
カップを見てから計算の振り幅で、カップまでの距離を頭に入れながら
その距離を感覚で打つ積りでストロークするようにします。
また、上級者でもラウンドの途中で雨が降ったりするとスピードが遅くなり
それに対してすぐに対応するためにも計算があるとすぐに対応できます。
感覚だけで行うと、「分かっているのに打てない」という状況に陥りやすくなります。
熟練したプロ達は感覚だけで打っている人がほとんどですが、感覚というのは
状況によって狂いが生じます。
目からの情報に対して体が勝手に調整したり、見え方が違ったり、体調や気分で
いくらでも感覚というのは変化します。
いくら熟練しているシニアの大会でも、途中で雨が降り出すと、ほとんどのプロが
最終ホールまですべてショートすることがしばしばあるのはこれです。
感覚と計算の両方で打つ訓練をすることと同時に仮想のカップを想定します。
これは上りのラインではカップの先に仮想のカップを想定し
そこまでの距離を打つようにすると感覚の距離感も矛盾がなく定着します。
そして逆に下りのラインでは、上りで設定した仮想のカップと同じ場所に打ちます。
下からも、上からも、また右からも左からも、仮想のカップは同じ位置にあり
傾斜のあるグリーンで四方からその仮想カップに入れる積りで打つ練習をします。
3 ライン読み
ライン読みはパティングの中で最も難しい部分です。
まず、二度と同じラインで打つことはなく、傾斜や芝芽によって
曲がり具合が変わるためです。
まずはグリーンに上がる前に全体の傾斜を良く見ておきます。
上がってしまうと分からないことがあるからです。
そして、クラブを垂らして垂直を見ると傾斜が分かります。
クラブを目の前に掲げて垂らし、左ないし右のシャフトの線が垂直になる方向に
クラブを回転させます。
自宅などで柱が垂直ですので、その線と合致するまでクラブを指で回転させ
垂直になった時点でヘッドの向く方向を覚えておき
実際にグリーンに上がった時にその方向でクラブを垂らすと垂直が分かります。
この垂直の線を基準にグリーンの表面の傾斜がどのくらいなのかを見ると
周りの景色などに誤魔化されずに正確に傾きが分かります。
また、ライン読みは経験値ですのでかなりの経験が必要です。
ただ、同伴者のラインも一緒に読む練習をすると、早く経験値を上げることができます。
曲線のラインの場合は速度によって曲がり具合が変わります。
そのため、強く打つとあまり曲がらず、弱いとかなり曲がるという現象になりますので
打ち方を一定にしておかないとライン読みの技術が向上しません。
したがって、通常は短い場合にはオーバー目に打ったり、ロングパットは
距離だけ合わせたりする打ち方をするのですが、しばらくは
最後の一転がりではいるかどうかという距離で、うまくしたら入るが
入らなくてもタッップインになるような打ち方をすると
傾斜に対する強さで曲がり具合を読む練習になります。
ライン読みは一生課題だと言われています。
生涯悩むのがパティングだという人もいます。
パティングで悩むのではなく、ショートアイアンをマスターして
ワンパット圏内につける技と精度を高めることが一番の解決法かも知れません。
4 調整
グリーンはゴルフ場や時期、芝の長さや乾燥状態によって速度が違います。
一般のゴルフ場では柔らかく、遅めに設定してありますが
トーナメントやプロの試合などがある場合には速度を上げることがあり
その日や時期や天候によってさまざまです。
この違いを調整する必要があるのですが、まずゴルフ場でラウンド前に
練習グリーンへ行ってその日の速度を計測します。
歩測をしていつもの速度と力で打ってみて、ショートした場合には
そのグリーンは自分の基準よりも遅いグリーン、そしてオーバーした場合には
速いグリーンとして誤差を調べます。
誤差が10%であるか30%であるかによって、歩測した距離に対して
余計に振り幅を大きくしたり小さくして調整します。
たとえば、5歩で20cmの振り幅と決めた場合には、実際に打ってみて
6歩分の距離が出たとします。
この場合は20%分だけ速いグリーンですので、振り幅を20%小さくして14cmにします。
また、同じグリーンでも傾斜によって振り幅を同じように調整して
下りの傾斜具合で20%、30%減として打つようにします。
反対に二段グリーンなどの上りラインでは、大体膝の高さほどの段は何%増しとか
標準を作っておくとスリーパットを防ぐことができます。
ただ、通常練習グリーンは人が大勢練習している場合が多いので
体重の重さで堅くなっている場合がほとんどです。
練習グリーンと本番のグリーンでの誤差も多少ですが計算に入れておきます。
欧米のトーナメントから戻った日本人選手達はほとんどがショートします。
速いグリーンに感覚を慣らしてしまっていますので、帰国してからは遅いグリーンに
また慣れるまでに、酷い時は数週間掛かるそうです。
グリーンの速さによって強さを変えるのではなく、強さや速さを変えずに
計算によってプラスマイナスしてストロークの幅だけを変えることと
仮想のカップを想定して打つ両方の方法によって距離を調整します。
これによって、ラウンドの途中で速度が変わっても
素早く調整することが可能です。
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