2019年9月15日日曜日

曲げ球は飛距離が落ちますよね


Question

ボールを曲げるショットをする時って、まっすぐ飛んだ時の飛距離よりも
横方向に力を使う分、それだけ飛距離は下がりますよね?


Answer

ドローが飛ぶとかパワーフェイドが飛ぶとか、色々な論争が絶えないのですが、
物理的に同じHSや重量であれば横回転のない、また適度なバックスピン量の
球が一番飛距離が出るようです。

ただ、その曲げ球を打つ時にスイングの動作によってはよりHSが上がるとい
う場合があります。

アマチュアの初心者にはあまり関係ないのですが、欧米のトッププロ選手達は
色々な飛ばしの動作を組み込んでいます。
この動作によっても球種が変わる事があるのです。

まず、スクエア軌道の場合、最下点の手前ではインアウト、そして後ではアウ
トイン軌道になっています。
これだけ見てもスクエアに振ったから必ずストレート球が出るとは限りません。

したがってダウンブローに打つアイアンは軽いドロー、アッパーで打つDRは
軽いフェイドになるのがスクエアな軌道だと言えるのです。

ところが、ダウンブローでもアウトインになってフェイドで打つ事はできます
し、DRでアッパーに打ってもドローを打つ事もできますので、振り方によっ
ていくらでも変える事が可能です。

ドラコン競技ではとにかく飛距離さえ出せば良いのですが、普通のゴルフの場
合にはいくら飛んでもFWを突き抜けたり、FWバンカーに吸い込まれたりす
る事がありますので、ピンポイントでどこに落としてどこで止めるかまで計算
をしなければなりません。

FWが硬いのはランが出るので良いと思いがちですが、転がって傾斜でラフに
転がったりバンカーに転がるように設計されていますので、落ちてからどちら
にどのくらい転がるかを知らないと打てません。

アマチュアは別ですが、トッププロはそのために転がらないようにわざと高い
球を打って対応したり、FWの傾斜にぶつけて転がりを減らしたりして最終的
にどこで止めるかまでも計算して打つのです。

したがって飛びさえすれば良いと言うコンセプトではない事と、曲げ球は飛距
離の調整と転がり具合を決める大切な要素で、(ドッグレッグのコースなりに
打つ曲げ球はシングルクラスの頃から必要になりますが)どんなコースも常に
60台を出せるようにするには自由に変化球が出せるようにする事です。

HSを出すために軌道を変化させて打つ手法があります。
雑誌などの解説にはシャローに入れると飛ぶとか書いてあるのですが、インサ
イドから入れようとすると低い位置から入るシャロー角になってしまいます。

これはインサイドに入れようとしているのではなく、HSを上げるためにでき
るだけレイトヒティング度を上げなければならず、そのためには最後ギリギリ
までリリースしないようにするとインサイドから入り易くなるのです。

このシャロー角と、インサイド軌道、そしてレイトヒティングは大きく関係し
ていますので、シャローだからHSが上がるとかインサイドアウトだから飛距
離が出るのではなく、レイトヒティング度が上がるのでHSが出ると言う事を
認識すると、プレイン上を素直に降ろして来るよりも、ヘッドをその軌道から
わざと外して、飛球線上後方から見た場合しの字になって降りて来るように遠
回りさせる事やリリース(この場合はローテーション)を遅らせる事によって
HSが上がっていると言う事が理解できるのです。

したがって、後ろ倒しの激しいフューリックやウルフなどはとんでもない恰好
で打っているのですが飛距離が出せ、ガルシアやラームのように下半身はあま
り使わなくても平行落としによって飛距離が出せているのです。

ドローが良いだのフェイドが飛ぶだのの論議はあまり意味がない事がこれでお
分かりかと思います。
野球でカーブしか投げられない投手は通用しません。
ゴルフも同じでフェイドしか出せない人は途中で壁にぶつかるのです。

同じ打法でフェイドをドローにしても番手一本分程度しか飛距離は伸びません
が、飛ばしの技を組み込めば100Yの差が出ます。

FWの形状、落下地点の傾斜、風などによって球種を変える事で落ちてからど
こで止められるかの方が、多少の飛距離を出すよりもよほど重要なのです。
そのような段階が将来来ると思って今から対応してはいかがでしょうか?




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