2013年12月4日水曜日

壊れたエスカレーター現象


止まっているエスカレーターに乗る時に、脳は止まっていることを認識しているにも関わらず
体は前に傾斜してつまずきそうになります。
これを壊れたエスカレーター現象というそうです。

http://blog.livedoor.jp/frrev/archives/52055326.html

これは体が考えとは全く違うことを勝手に行っているということです。
厳密に言えばどちらも脳の働きなのですが
ここでは体と頭とに分けて表現させていただきます。

ゴルフではこの現象が良く現れます。
過去の経験によって体が勝手に調整してしまうことです。

ゴルフを初めて少しすると、ダフった次はトップ、トップの次はダフり
と大体交互にダフリトップがでてきます。
(ゴルフ用語でダフリトップ現象と命名したいのですが・・)

これは自分では同じことをしようとしているのですが
体はダフったことにより、手を縮ませてダフりをなくそうと勝手に動き、
次はトップになるのです。

これは何を意味しているかというと、
過去の失敗の記憶が体に大きな影響を与えるということです。
練習に行って何度も何度も芯を外したり、シャンクしたとします。
するとその記憶が蓄積されて、ラウンド中に緊張すると
体が勝手にその悪い経験を避けようとして違う動きをしてしまうのです。

また、改造中も同じです。
新しい打法で練習場で打てるのに、ラウンドにいくと
古い以前の打法がでてきます。

球の行く先が気になって当てに行くようになります。
これは古い経験の蓄積が定着し、そこに安心というメンタルが重なって
その回路を勝手に選択して自分の考えとは違う動きになってしまうのです。

これは自分のやろうとしている意思と、失敗したくないので
自信のある動きで行こうとする両者の戦いになっているます。

どちらの回路で打つかはこの戦いの勝敗で決まり
球をあまりにも意識し、周りの目や恥ずかしさ、自尊心を守るためなどの雑念によって
どうしても安全に当てに行くことがゴルフでは良くあります。


これらも、全て含めてメンタルだと言えると思います。
そして、これらを踏まえて、練習の段階でまず失敗を極力減らすことによって
その悪いイメージを残さずに良い記憶だけを蓄積すること、
あるいは悪いショットは記憶しないで、良いショットを何度も思い起こすこと、
また、段階を経て思い切って新しい打法の回路を使って実践で使うことが
とても大切だと思います。

練習場では伸び伸びと大きなスイングができるのに
ゴルフ場では縮こまった小さなスイングしかできない・・
そんな方はロストボールを30個くらい持参して
「良し! 今日はこの球全部OBで無くしてやるぞ!」と
腹をくくって思い切り降ってみることです。

以外に上手く行って、球はほとんど持ち帰ることになるかと思いますが
その思い切りは使いたい回路を使うということで
どうにでもなれ!と開き治った時にスイッチが切り替わります。

この現象を利用する

電車内でどこにも捕まらずに立っていて、電車が走り出す時にも、
体は勝手に進行方向に傾いていきます。

これもこの壊れたエスカレーター現象だと思います。
条件反射的な反応ですので、ショットも同じように
何も考えずに体が勝手に理想的な動きをするようになるまでの
反復練習が必要だということです。

潜在脳に蓄積された動きは、何も考えず、何も意識せずして
体が勝手にその動きをしてくれます。

潜在脳に保存する・・これが定着です。
定着させるには時間が掛かり、その間はいつ崩れてもおかしくありません。
崩れたら治し、崩れては治しする作業によってのみ、
正しい基本動作の定着に到達することができるのです。

タイガーウッズも2000年にスイングをスクエアからS&Tに換えました。
そして賞金王に戻ったのが2003年です。

もちろんその間にプライベートなスキャンダルもありましたが
トレーニングや練習は継続していたと聞きます。

最終的に条件反射的な定着をしてある程度安定するには3年は必要です。
職人として考えればもちろん10年の修行が必要なのですが
ある程度ミスが少なくなるのは個人差もありますが時間が掛かることです。

どんな状況下でも、この壊れたエスカレート現象で
体が勝手に正しい理想的な動きをしてくれるようになるように
毎日の鏡の前でのエアショットやイメトレ、そして実際の球打ちによる
定着のための反復練習を継続することが大切です。





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