2017年5月17日水曜日

ショートアイアンが飛び過ぎ


Question

アイアンショットで強くヒットしてしまうミスは、どうしたら防げますか?
普段より高く上がり、飛び過ぎてしまいます。
P~8でやってしまいます。


Answer

ショートアイアンで飛ばし過ぎは初心者には良くあることです。
9番アイアンで思い切り飛ばして150Y出た!とはしゃいでいる
中高年男性がいました。

筋トレをして筋肉自慢の人でしたが、思い切り振る人でした。
横振りでヘッドが走っていないために振り遅れて毎ホールOBです。

「せっかくだから気持ちよく振りたい」、「どうせなら飛ばしたい」と
スコアメイクではなくドラコンを普通のコースでするのです。

まず、この男性の場合は脳味噌が筋肉と言われるタイプで
肉体自慢、筋力自慢、飛距離自慢で優越感を感じたい方でした。

基礎練習から基本動作をレッスンしたのですが、できないできないで
地道な定着練習をしないのです。
そして、我流打法で飛ばすことばかり考えていて
自分の我流打法を一切治そうとしないのです。

ショートアイアンで飛ばす人は、まだゴルフの基本が分かっていない人です。
飛ばして良いのはDRだけです。
そのほかの13本のクラブは飛ばすクラブではありません。

ショートアイアンで飛ばすことは簡単です。
トップを深くして、スタンスを広くし、前傾を起こして思い切り振れば
だれでも飛距離は出るのです。

しかし、これではほかの番手との兼ね合いからメチャクチャになってしまいます。
まず、トップを深くすると飛びますが、真っ直ぐに打つように調整していくと
今度はDRでスライスが止まらなくなります。
これはトップの深さを番手ごとに変えなければならないからです。

次にスタンス幅を広げる方法です。
これは体重移動も大きくなり、脚が使えるので力が込めやすく
振り回せるのです。
でも、これによって方向が乱れ、飛距離が安定しなくなります。

また、前傾を起こしてショートアイアンを打つと
体が楽に回転をして振り回せるのですが、
DRとの前傾角度の差が少なくなって
ワンスイングにならずに定着期間が数倍長くなります。

これらは基礎ですので、それを無視すれば当然弊害があります。
立ち上げにはコントロールショットなどで、9番アイアンで100Yしか出さない
などの力を抜いた打球から始めたり、ゆっくりと素振りをして
メンタル的にも飛ばさない練習をしなければなりません。

鏡を見ながら9時3時のハーフショットをゆったりと行ってください。
それでもかなり深くなります。
感覚としては人によりますが、9時だと思っても11時まであがっていたり
8時でとめようとしても10時まであがってしまうこともあります。

このような人は腰で止める感覚、あるいは膝で止めるとちょうど良い
という人などもいますので、鏡を見ながらその位置を感覚で覚えるしかありません。

鏡がない練習場では動画を撮りながら練習をすることが大切で
前の打席が空いていない場合には自分が後ろを向いて、適正なトップの位置
だと思うところで止めて撮影し、それを見ながら調整します。

また、芯に当たらない人ほど力を入れて打ちます。
芯を外すと気持ちよく飛ばないので、自然に力が入ってしまいます。
常に6~8割の力というのが定石です。

また、振り幅でパワーを出そうとする人ほど大振りします。
手打ちの人は大振りするしか飛ばせないのです。
体全体を使ったフォームを習得することで解消されます。

大振りが癖になっている人はしっかりと体重移動や腰の開きを使い
バンプのタメでしっかりとエネルギーをタメると芯に当たったときは
気持ち良くかなり飛びますので、8時4時スイングでしばらく練習し
振り幅ではなく精度と効率で飛ばす練習をしましょう。

いずれにせよ、中級から上級になる段階で、このような人は
考え方を変えなければなりません。
120%で飛ばそうとするのではなく、80%の力で真っ直ぐに打つ
というスコアメイクに必要な内容に変えるのです。

したがって、DRにしても100%のショットを80%出そうではなく
80%のショットを100%にしようという考え方にします。

欧米のトップ選手達の中には思い切り振っているように見える人が大勢います。
しかし彼らは320Yを8割の力で出しているのです。
プレイオフや優勝争いでどうしてもギャンブルをせざるを得ない場合には
350Y飛ばすことができるということです。

飛ばすには飛ばしの技術があります。それを習得せず
筋力だけで飛ばそうとする人はスコアは良くなりません。
また、精度を上げて効率を上げなければ、いくら筋トレをしても無駄です。

30年のゴルフ歴で、還暦になってもまだ振り回しているような人は
ゴルフではなく性格に問題があるのかも知れません。
満振りを諦める、飛距離を抑えて真っ直ぐに飛ばす、などの
欲望との戦いに完全に負けていると言わざるを得ません。

ゴルフには人生や性格が出ると言われているのがこれです。
変なプライドを捨てて、飛距離を諦めるところからスタートし、
より真っ直ぐ、より安全に飛距離を出すかを課題として、精度を上げる練習、
効率を上げる練習などに内容を変えていく事が大切です。




0 件のコメント :

コメントを投稿