2017年12月20日水曜日

構えた時の腕とクラブの角度


Question

構えた時の腕とクラブの角度の疑問。
私はどうもクラブを寝かせ過ぎ(手首を曲げすぎ?)の構えになります。
もう少しクラブを立てたいのですが、どうも理解ができません。
人間の手は、棒を持てば、腕に対しておおよそ直角になると思います。
クラブの重みで少し垂れるとはいえ、クラブフェースが
地面に平行になるほどの真っ直ぐに近い状態になることの理解ができません。
教えてください。


Answer

まず、ご質問を整理しましょう。
アームシャフト角は90度にするのが自然だと言われているのですね。
これが左手首に対しては一番楽で自然な角度だと言う事なのでしょう。

確かに、その通りです。
しかし、同時に重い物を持って振り回せば遠心力によってこの角度は伸びて
最後には180度に近くなるのも自然です。

まず、人間の能力では90度を維持しながら打つのは無理だと思います。
左手首だけに関しては理想かも知れませんが、問題は打つ時の状態です。

これは選手によってバラバラです。
インパクト時にアームシャフト角は何度が良いのでしょうか?

オーソドックスなインサイドイン打法では、160度前後のアドレス時の角度を
そのまま維持し、アドレスの再現としてそこに戻せという指導でした。

ところが、高速スイングで打つ場合には、この角度は自然に伸びてしまいます。
これを力づくで阻止するか、伸びるのをそのまま受け入れるかで打法が違います。

グリップをフィンガーにすると完全に180度までは伸びませんが、
パルムだと完全に伸ばして打つことができます。
これがジェイソンデイやリキーファウラーの形です。

タイガーウッズやマキロイはアドレスよりは延びているのですが、
175度程度で完全に直線までは延びていません。

要はインパクトでより正確に安定した打ち方ができれば良い事で
左手首を怪我しない程度に活用しながらフォームを作ることかと思います。

大切なのは再現性です。
伸ばしても、伸ばさなくても、またその中間でも、再現性が高いことです。
ただ、言えることは、スイング速度が上がれば上がるほど
アームシャフト角は伸びようとするということです。

長いシャフト、柔らかいシャフトなども同じで、高速になればなるほど
トウダウンし、軌道から外れようとします。
このトウダウンの分まで計算して打つと言う事も同じように難易度が上がり
スイング速度が多少違っても軌道がズレないクラブや打ち方の方が
より正確に打てるのです。

したがって、アームシャフト角はどうせ伸びるのですから、
これ以上伸びない角度まで伸ばしてしまって打てば良いとするスイング理論
が物理的には正しいのかも知れません。

ゴルフの進化は飛距離によるものです。
いかに遠くに飛ばそうかと、どんどん進化した打法や技が編み出され
それに対して体が対応できるかできないかというギリギリの勝負をしています。
左手首が自然かどうかよりも、いかに駆使して飛距離を出すか、方向を出すか
などの技術を追求しているのが現状です。

タイガー打法は全ての技をマックスで入れれば400Yは越える物ですが
同時にレギュラーツアー選手が毎日これで練習していると怪我をします。
タイガーウッズがそれを身をもって教えてくれています。

手首が痛んだりするのでしたら、できるだけ使わないような振り方をする
というのもゴルフIQです。
どこで落ち着かせるかは個人の能力や丈夫さ、価値観や好みで決めてください。
これは他人には分からない部分かも知れません。

アームシャフト角を何度にするかよりも完成度の方が何十倍も重要ですので、
どこかに決めて、それを固める事に専念していただきたいと思います。



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