2019年8月24日土曜日

ウェッジのシャフトは柔らか目が良い?


Question

ウェッジのシャフトはアイアンのシャフトより柔らか目が良いとよく聞きますが
理由がよくわかりません。アイアンと同じシャフトでは駄目なのでしょうか?


Answer

そもそもこの話はボウケイ氏とタイガーの会話が発祥のようです。
ボウケイ氏とはタイトリストのボウケイモデルというウエッジをデザインした人で
最も売れているウエッジの産みの親です。

その彼がタイガーウッズに質問をされた時の話の内容が微妙で、誤解され易い内容
だった事から違ったニュアンスで伝わっているようです。

ダイナミックゴールド(DG)と言う鉄のシャフトが昔から一般的で一番のシェア
を持つアイアン用のシャフトなのですが、スティッフ(S)と言う硬い物の中に
100、200.300、400とあり、出来上がりの重さによって分けて、取り
合えず400が一番硬い(重い)とされていました。

ところが、最近もっと硬いXの100と言うシャフトが発売され、タイガーはアイ
アンをS400からX100に挿し替えた時に、ウエッジをどうしたらよいかを彼
に聞いたそうです。

その質問に対してボウケイ氏はあえてウエッジは交換する必要はなく、慣れた物が
良いと言う話をしたそうです。
そして、ウエッジのコントロールショットにXは必要はないと言ったので、タイガ
ーはそのまま交換しなかったそうです。

その話が回りまわってメーカーなどの販売に利用された印象があるのですが、ウエ
ッジのシャフトはアイアンよりも柔らかい方が良いと解釈されたようです。

英語の翻訳や伝達ゲームでもおなじみの変化する情報が混乱の原因かも知れません。
ウエッジは柔らかい方が良いとトップデザイナーとトッププロが言ったと解釈され
それを利用して柔らかいシャフトを売るための材料とされたようです。

ただ、重さはアイアンより重い方が良いと言ったそうなのですが、それは総重量な
のかウエイトバランスなのか、またヘッドの重さなのかシャフトの重さなのかがハ
ッキリしていません。
録音でもあれば良いのですが、誰かが英語で載せた記事を翻訳した日本人がどこま
で正確に翻訳したかも問題です。

ウエッジは重い方が良いと言う事であればもともとボウケイモデルはヘッドがかな
り重いので、それを使わせるためにそう言った可能性もあるでしょう。

ヘッドが軽く感じると手でこねくり回してショット癖がつくスイングになるとか、
因果関係のない論理で重いウエッジを売りたがる販売側もいて、販売側や道具オタ
クの情報の信頼性を疑わざるを得ません。
そもそも400g以上あるウエッジで10g、20gの総重量の違いが分かる人は
どのくらいいるのでしょうか。

確かにシャフトが硬いほど正確性が上がるのは事実です。
また、ウエッジでフルショットをしないと言う前提のボウケイ氏の発言はタイガー
にはそれ以上の説明がいらなかったとしています。

もともと同じシャフトを使えば短い番手ほど振動数が上がり硬くなります。
PWとSWは同じ長さにする人もいて、違っていてもハーフインチ程度ですので、
振動数はさほど変わらないと思います。

シャフトが柔らかいと言ってもこの程度ですが、NSプロとなると軟ら過ぎてトウ
ダウンが大きくなる分ダウンスイングの軌道を変えなければなりません。

ただ、DGをNSに交換する人が良くいるのですが、これでダフっていたのが治っ
たと言う話は聞いた事があります。

それはしなる事で手とヘッドの間の時間差ができるからです。
この時間差は本来はワグリングで作るのですが、それができない人が微妙にダフっ
ていた場合には確かに治る事があります。

しかし、シャフトが柔らかい分、方向が悪くなりますのでどちらを選ぶかです。
ちなみに初心者はこの辺はどうでも良い事ですが、拘るとしてもDGのXかSの違
いであれば、まずその違いが分かる人はほとんどいないでしょう。

タイガーのようにウエッジでのアプローチはほぼコントロールショットという内容
でしたら、このシャフトの違いはフルショットの時に振動数に現れるだけですので
問題はない範囲です。
また、タイガーでも砲台グリーンやラフからはフルショットする事もありますので
この程度の差は違和感は感じていないようです。

したがって、その差を考えるのはタイガーの技術を上回った時で良い程度の問題で
わざわざ柔らかい物に交換したりせず、同じ硬さのシャフトが良いでしょう。







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