2013年9月1日日曜日

時代による打法の違い


画像が残っている範囲での時代分けとして
大きく3つに分けることができます。

クラシカル時代、中期、そして現代です。
クラシカルな時代とはサム・スニードやベンホーガンの時代で
白黒ですが動画が残っています。






中期とはジャック・ニクラウスやトム・ワトソンの時代で
キャスト・アイアンやメタルウッドの初期を示します。






そして現代とは90年代のタイガー・ウッズ以降の打法で
主流の3~4種類を指します。





これらの大きな時代の変化にしたがって、スイング打法の進化が
顕著に現れています。



★ クラシカルな打ち方

テイクバックは手から始動で、弓のようにしなりながら上げます。
トップの位置は大変低く右肩よりも外に位置しています。

左肘も曲がり、体全体を弓のようにしならせて
そのしなりも飛距離に使っています。

テイクバックで右に移動した体重を左に移動させてから
インパクトとなります。

小さなダウンスイングから大きなフォローになり
フラットなダウンスイング軌道から縦振りのフォローとなり
かなり高い位置に上げてからフィニッシュを作ります。

http://www.youtube.com/watch?v=lV6XquYzuUs


★ 中期の打ち方

テイクバックでは両腕と胸の三角形を崩さずに
ヘッドを飛球線上後方に地面を這うように低く引き
耳と右肩の間の前の高い位置に上げて腰を大きく回します。

ほとんど右足に全体重が乗るほど移動し、左に体重を移動しながら
その途中でインパクトになります。

体重移動、落下力、腰の開き、右足のツッパリなど
飛距離を出すためのフォームが特徴です。

軸はクラシカルな時代から変わらず背骨です。

http://www.youtube.com/watch?v=Ze_ZenmOWvY



★ 現代の打ち方(モダン・スイング)


http://www.youtube.com/watch?v=yWaJ7NlsG0A


スクエア打法はミクシーに詳細が記載されています。

http://mixi.jp/view_community.pl?id=5157003



モダンスイングを大きく4つに分けることができます。


1  スクエア打法

   タイガー・ウッズが90年代に有名にした打法
   トップの位置が高い後ろの位置で、全てをスクエアにした打法です。


2  インサイドイン打法

   従来のインサイドインとは違う進化した打法
   軌道はインサイドインですが、ボディーターンやワインディングなど
   パワフルな技法が組み込まれています。


3  スタック・アンド・ティルト(S&T)打法

   タイガーウッズの2000年以降、多くの選手が採用
   左重心のまま移動せずにワインディングの反発と落下力で打ちます。


4  レイドオフ打法

   極端にフラット軌道のダウンスイングから
   インサイドアウトにアップライトなフォロー軌道を取る打法です。




モダンスイングの大きな特徴


★ コイリング(ワインディング)

体を捻って、その反発でパワーを出す技法ですが、
クラシカル時代と中期は体全体を捻っていました。

現代に至ってはほとんどの選手がテイクバックで腰を止めて上半身を捻り、
胴回りの太い筋肉で回転しています。

したがって、クラシカル時代や中期ではテイクバックで左足のカカトを上げていましたが
モダン時代ではほとんどベタ足です。

このべた足打法は80年代のデイビス・ラブやフレッド・カプルスの出現によって有名になり
両者とも当時では群を抜く飛距離でした。

現在でもテイクバック時の腰の固定化は個人によって違いますが
ダウンスイングで腰を開いて肩を回すのではなく、テイクバック時に肩と腰の
捻転差によるワインディングのパワーによって飛距離を出す技法です。


★ トップの位置

モダンスイングはスクエアの場合以外はクラシカルと同じ位置に上げる選手が多く
右肩のすぐ上あたりに手を持って行きます。

中期は肩と耳の間の手前の高い位置が主流だったのですが、
これは落下力を使えるために、現在でも枝葉の例外ではありますがババ・ワトソンが
この位置から落下力によってかなりの飛距離を出すようになっています。


★ 体重移動

クラシカル時代の体重移動はトップで9割体重が右に乗り
ダウンスイングで左に9割移動させてインパクトでした、。

中期に至ってはトップでは同じですが、クラシカルのヒップスライドに対して
ヒップターンで腰の開きからダウンスイングの始動で体重が移動している
最中にインパクトになるか、右足のツッパリによって右足体重のまま打つかの
2種類に分けられます。

モダンスイングはS&Tは最初から左体重で、トップでさらに左に傾き
左重心のままインパクトとなりますが、
それ以外の打法では右足のツッパリかキックによって
右足に9割の体重が乗った状態でインパクトになります。

これは二つの体重計に片足ずつ乗せ、スイングをした時に
インパクト時の体重計の針がどこを指すかの割合です。

動画では体が中心にあっても、右足で蹴ると体重はほとんど右に乗ります。
この状態が一番パワーが出るボディーターンといえます。


★ テンポ(スイング速度)

スイング速度はクラシック時代より中期、中期よりも現代の方が一般的に速く
とくにワインディングの反発力を使うようになってからは、テイクバックの速度と
ダウンスイングの速度が同じになっています。

いつの時代でも速度には個人差があります。
捻転の緩みがある場合にはゆっくりとスイングできますが
体全体の張りが強いほど速度は速くなります。

モダンスイングでも張りを4~5で慎重にスイングする打法と、
S&Tのように張り8~9にまで強くして反動でパワーを出す打法の差はありますが
張りが強いほど疲れますがミート率も上がり、方向も安定し易くなります。

★ リズム

日本ではチャーシューメンのリズムで打てといわれていました。
ベンホーガンやサムスニードなどのクラシカルスイングを見ても
トップで一度休憩して、スイングを二分割している打ち方はあまり見当たりません。

トップで一度止まって位置の修正をすることはミスを減らすかも知れませんが
テイクバックとダウンスイングは一つのストロークと考えるのが欧米の考え方です。

ライフルとピストルの違いで、筒が長いほど正確に弾が跳びます。
ゴルフのスイングもテイクバックとダウンスイングの両方を足した長さにすることで
より正確な方向性を出すことができ、また、コイリングの反発を使ったパワフルな
打球を打つことができるとしたスイング理論です。



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