2013年9月18日水曜日
パワフルなスイングのテクニック(上級者用)
1 ボディーターン
☆ ヒップターンとヒップスライド
ヒップターンとは腰の開きによってスイング速度を上げる技法で
ヒップスライドに対する表現です。
また、テイクバックで腰が右に回転する動きを含んだ場合もありますが
モダンスイングではできるだけ右回転をさせず、固定する事によって胴回りの張りをつくり
胴回りの太い筋肉の力によって上半身の回転を増強します。
ヒップスライドはダウンスイングにおいて、体重を右から左に移動しながら腰も左に移動し
体重を乗せてスイングする打法ですので、足場がぬかっている場合、砂地、傾斜ライなど
下半身を十分に使えない場合に適しています。
それに対し、芝の上で平坦な場合、ティーショットなどは下半身の力を最大限に引き出すため
腰のスエーを回転に変えて、腰を開く力によって上半身を回転させます。
野球のバッティングは下半身や腰の動きによって、バットは後から動いてきます。
ゴルフも同じで下から順に動いてきて、クラブが一番最後に引っ張られてきます。
http://www.youtube.com/watch?v=37XT7eYFUMk
☆ 上半身の捻転パワー
肩の回転は下半身の動きや胴回りの筋肉によって動かします。
基本的には軸に対して直角に終始回転させます。
しかし、S&Tはテイクバックでは左肩を落とし、フォローでは右肩を落とす動作を入れ
回転しにくい動作を補います。
基本動作はテイクバックで左肩がアゴの下に入り、フォローで右肩がアゴの下に入る
までの捻転をします。
腰はダウンスイングで45度まで開きますが、それ以上はあまり効果がありません。
今度は上半身の力によって肩を回してスイングするのですが、腰は逆に止めて
むしろ逆回転させるようなモドシの動きで上半身を回転させます。
これはデイビス・ラブ、マキロイなどがお手本で、日本では比嘉真美子選手が採用し
非常に難しいテクニックです。
☆ 右足の突っ張り
腰を開く動作にはさほど力は要りません。
しかし、大きな鉄の重いスライドドアを右から左にスライドさせようとした場合
右足で地面をしっかりと踏みしめて右足体重で腰を入れて押します。
自分の体重を乗せたり、また左足体重で大きな思い扉は動きません。
スイングはヘッドスピード(HS)だけではなく、パワーが必要で
球をつぶすだけの力が必要です。
☆ 右足の蹴り
ダウンスイングで腰を開く時、右足支点で突っ張るだけではなく
膝を伸ばしたり、かかとを上げて蹴るともっと速く腰を開くことができます。
この瞬発的な動作によって、より素早く腰を開くことができ
その腰の開きによって肩を回転させて打ちます。
☆ 体重移動
過去の打法ではこの体重移動だけでスイングしていましたが、モダンスイングでは
体重移動だけではなく、捻転力や落下力、押し込みやレイトヒティングによって
飛距離を伸ばします。
トップからの切り替えしに体重移動を使う場合や、右足の蹴りだけではなく
体重の移動をも一緒に使うことでより飛距離を伸ばすことが可能です。
☆ 傾きによる移動
S&Tは最初から左に5.5、右が4.5の体重を乗せてアドレスします。
そして、テイクバックで体の中心を軸とした回転をして右足の力を抜いていくと
体が左に傾きます。
その傾きをきっかけとして倒れそうになる前に腰を開いて打ちます。
基本的には左足重心で体重を乗せて打つため飛距離が制御され
その分方向が良くなるのがこのS&Tなのですが
タイガーウッズがこれに右足の突っ張りを入れてアレンジした打法を作っています。
2 レイトヒティング
レイトヒティングとはリリースポイントをできるだけ遅くし、できるだけ短い時間で
クラブをリリースすることによってHSを上げる技法です。
http://www.youtube.com/watch?v=KK5P3F6Zwpc
☆ 手首の動き
左手の甲はトップから下ろして来る時に地面に向けるような方向でダウンスイングし
球を過ぎてからリリースするようにするとリリースポイントを遅くすることができます。
左で球を打つ場合には左手首を伸ばして打たないとフェイスがスクエアになりません。
極端に左にすると左手首を平側に大きく曲げないとフェイスが真っ直ぐ目標方向
を向かないのですが、それができるとロフトが立って球が低くなります。
この動作をトップの位置で行うと、レイドオフというまた違った打法になりますが
徐々に左手首を曲げながらテイクバックするか、ダウンスイングで徐々に曲げないで
トップでこの動作を行うと円や8の字を描いてダウンスイングの軌道をブレさせることがあります。
したがってテイクバックで徐々に手首を曲げながら上げて、
トップに到達する前に手首が最大に曲がった形になっていると
ヘッドが低い後ろの位置に行くためにレイドオフという名前がつきました。
トップの位置から左手首を曲げたまま、そのままの形でダウン下ろして来ると
インパクトではかなりのレイトヒティングになってもフェイスは目標を向いたままになり
左の割には球が高く上がりません。
☆ 右腕のスナップと押し込み
野球のバット同様に、打つ瞬間に右肘を伸ばして押し込みます。
ダウンスイングでは右肘をお臍の位置に先に下ろし、後から右手が降りてくると
野球のボールを投げる時のスナップのような形になります。
この右手のスナップによる押し込みがインパクトのパワーを出し、球をつぶし
球の初速を速めます。
☆ コックの解き
左手首のコックはリリース時に解くのですが、インサイドイン打法ではアンコックし
スクエア打法ではフルアンコックしてローテーションを加えてリリースします。
このコックの解きとローテーションの動作の両方をできるだけ遅くすることで
このリリースの速度が上がります。
☆ プレイン位置の移動
右肘はショートアイアンではほとんど曲げずにテイクバックし、そのまま曲げずに
インパクトすることが基本形です。
そして、DRなどの長いクラブになるにつれ、右肘の曲げ角度を増していき
トップの位置での肘の曲げ角度を保ちながら下ろしてきます。
したがって、ショートアイアンは遠くから、長いクラブは体に近い位置から降りるため
プレインが目標方向に移動します。
この動きによってプレインは短い番手ほど右で、長い番手ほど左ということになり
これはアドレス時に置く球の位置と一致しています。
3 ダウンブロー
ダウンブローとは球を打った後にヘッドがさらに下がって
最下点の前で打つことをいいます。
大きなターフが取れ、球にバックスピンが掛かるために止まり易くなります。
☆ アンコック
インサイドイン打法ではアドレスで構えた時の手首の形に戻して打ちます。
これをアンコックといいますが、アームシャフト角をアドレス時の角度に戻しても
遠心力でそれ以上自然に伸びてしまいます。
その伸びた分だけ球を打った後にヘッドがさらに地面に入ります。
この誤差によってダウンブロー現象が起きます。
☆ フルアンコック
フルアンコックとはアドレス時に作った左手首の角度をインパクトで戻すだけではなく
さらに左腕とシャフトが170~180度近くに伸ばすほど手首を小指側に伸ばす動作で
これによってダウンブローの幅や力が強化されます。
フルアンコックをした場合、手の軌道はフォローでインサイドに入れるのではなく
目標の右方向に向けて出します。
これによってヘッドがスクエアになってストレート球を打つことができます。
☆ 最下点の移動
スイング・プレインが目標方向に長いクラブほど移動します。
本来はどの番手でも最下点は同じはずなのですが、実際には左に移動します。
そのため、3Wでもターフを取る(ダウンブローで打つ)選手が多く、低く出して
高く上げ、ソフトに落とすという弾道の球が打てます。
この打ち方はパー5でツーオンさせる時に大変有効で、グリーンヒットして
裏にこぼさずに止めるテクニックでもあります。
これにさらにフェイドを入れて吹き上がらせる球質を作るにはインテンショナル・フェイド
レイトヒティング、そしてダウンブローの技術のほかに正確性やパワーが必要で
球質としては一番難易度の高い打ち方だといわれています。
4 落下力
高い位置から腕やクラブの落下する勢いを使って打つ技術があります。
腰の回転や下半身が上手く使えないゴルファーや加齢や肉体的に問題がある人は
この落下力を使うとパワーをアップすることができます。
日本のドラコンの安楽選手はこれを「遠心力」と説明しています。
バケツに水を入れて、こぼれないようにぐるぐると回すような動作をすると
遠心力によって水はこぼれません。
水は外に向かって押し付けられているためですので、この押し付けられる力で
打つことができます。
右足に体重を乗せて後ろを向き(飛球線上後方)大きく手を上げて
今度は左足手に体重を移動させて目標方向を向く途中で手を下げて打ち
また、同じ高さに手を上げる動作です。
これが落下力を最大に使った打法です。
ただドラコン選手はこれに右足の蹴り、上半身の捻転力、右腕の押し込みや
レイトヒティングなどの使える全ての技術を入れて飛距離を伸ばしています。
通常のゴルフにおいては、体が丈夫な人であれば筋力で体を回転させ
さらに落下力を入れて打つとバランスの取れた、体に優しいスイングができます。
5 ワインディングの反動
ワインディングとはコルキングとも言って、ゼンマイを巻く動作をいいます。
体をゼンマイのように捻り上げて、一瞬にしてその捻られたパワーを解き放つと
瞬発的なパワーが生まれます。
古くはグレッグ・ノーマンあたりから顕著に使う選手が増え、現在では
欧米のトップ・ツアー・プロ達はほぼ全員がこのテクニックを使っています。
この捻り上げの動作は胴回りの張りがあり、とても力が必要で疲れる打ち方なのですが
それだけに張りをマックスにするとスイング速度自体がかなり速くなり、HSが出るだけではなく、
軌道のブレを軽減してミート率が上がります。
選手によっては張りの強さが違い、4~5の張りで打っている選手や8~9の張りがある選手など
個人差はいろいろです。
テイクバックとダウンスイングの速度はほぼ一緒で、張りが強いほどトップでの時間が短く
体が緩んでいる人ほどトップでの溜めが大きく、ストロークを短くしています。
スイングのストロークはテイクバックとダウンスイングが一体化した張りのある動作へと
モダンスイングは進化しているのですが、テイクバックとダウンスイングを分離させて
トップで一旦休憩をして軌道を修正するようなリゾート系では短筒のピストルに表現され
テイクバックとダウンスイングを一体化させたストローク打法ではライフルのような
筒の長い、より正確な方向性を出すスイングとして欧米ではこれが基本形とされています。
パワフルなモダンスイングをするには、これらの技法をマスターし
少しずつ全ての力を使ってバランス良くフォームを作っていくことが大切です。
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