跳ばすための７つの力（上半身） ４ 落とし押し

手が腰の位置まで降りてきた時点で今度は
右肩でクラブを地面方向に押します。
ショルダープレインはできるだけヘッドや手の軌道と同じ平面にしたいので
背骨に直角に回転させるのが人体構造的には理想なのですが
物理的理想を追求すると右肩を下げた縦軌道になります。

左手はそのままの高さですので、テコの支点にし（左には流れますが）
右腕が地面方向に押し下がるためにヘッドが猛スピードで走ります。

空手で瓦を割る時に、上から下に拳を落とします。
基本的にはそのような動きでクラブを押しながら落としますが
瓦割とは逆に手の甲が自分側を向いたまま押します。
これが落とし押しです。

スタック・アンド・ティルトはワインディングの跳ね返りから落下力を足して
この押し落としから押し込みまでの速度がかなり速いので
下半身の動きや体重移動している暇がほとんどありません。
そのために左一軸が最適とされています。

この落とし押しの開始位置は、ヘッドが後ろにあるほどHSが上がります。
後ろにあるほどシャフトはフラットになりますのでトップし易いのですが
その分落とし押しや釣り上げの力を入れて調整しますのでかなりの力が入り
HSが最速になるテクニックとして難易度がかなり高いと言えます。

レイド・オフ打法はトップの時点でかなりヘッドが後ろにありますので
そのまま体の後ろから落とし押しをするためにパワーがあります。

引き落としから落とし押しの形はクラシカル打法で行われており
ベンホーガンなどの後方からの画像を見ると
ダウンスイングでは肩の回転を緩めて、腕を先に落としているのが分かります。
このタイミングで打つとフェイドの癖球も治ります。

この時点でシャフトはフラット気味に降りてきて、ヘッドはまだ後ろにあります。
大変古い手法なのですが、中期頃にこれをオンプレインに変えた打法が流行り
よりシンプルに、そして安定した軌道になったのですが、
最近またこのクラシカルな形が復活してきました。

フラット軌道はパワー、アップライト軌道は方向と言われる由縁がこれです。
トップの位置で後ろの低い位置にすると軌道はフラットになり
中期の頃の頭の上の高い前の位置に持っていくとアップライト軌道になります。

これはどちらを優先するかのチョイスとなりますが流行要素が多く、
トップがフラット位置やレイドオフの場合は新しいと言う人がいます。
ところがこれらは実はクラシカル・フォームの再流行なのです。