2017年6月13日火曜日

どこに置いてもトウに当たる


Question

アイアンでトゥ側に当たってしまうのは何故?
何故かアイアンが常にトゥ側に当たってしまい困っています。
球は狙ったターゲットに対して綺麗に真っすぐ飛んで行く
ので、スイング自体は悪くないと思うのですが、いかんせんスイートエリアで
捉えていないので、距離は若干落ち、スピンも効かないのでグリーンから
こぼれる事もよくあります。

発想の転換で、もうこれ以上手前にクラブを引けないようにと、グリップを
股間に完全に密着させるように構えて打っても、少しマシにはなりますが、
それでも同じくトゥ側寄りに当たってしまい困っています。


Answer

トウに当たるのは単純にフォローで手前に引っ張っている
可能性が一番高いと思います。
インサイドからインサイドに引っ張ると良く起きる現象です。

また、起き上がりでも同じようにトウに当たることがあり
フォームをしっかりと検証する必要があるでしょう。

しかし、もしこのどちらでもなく、どこに置いてもトウに当たる場合は
科学的ではありませが、「体が勝手に動いてご自身がそれを制御できていない」
と表現してお分かりになるでしょうか?

目からの視覚情報は時には意識レベルではなく、バイパス処理されて
体が勝ってに動いてしまうという事があります。

目で見た球の位置と、それに対してのダウンスイングの軌道がズレており
手が勝手に球の自分側にヘッドを落とそうとする動きになっている
ということが考えられます。

これは球の左右の位置でも同じです。
球を真ん中においてダフる人に、そのダフる分だけ右に球を置かせると、
またその分だけダフる人がいます。
球の位置によってどんどん最下点が右に行ってしまうこともあるのです。

逆に、球の左(目標方向)10cmくらいのところを凝視し、球を見ずに
その場所へヘッドを落とすように振ると、ぴたりとミートする人もいます。
これはそこにヘッドを落とす自分の意思で、その動かし方を知っている人、
しかも、球を意識せずにその動きのフォルダーが開けられる人です。

このように、自分で自分の脳をダマさないと
脳は勝手に体に指令してしまって、全く違うことをするのです。
脳に支配され、自分の意思を行使できない状態です。

素振りと本振りの違う人も同じです。
球があるのとないので、開くフォルダーが違うのです。
あまりにも失敗経験が多いとトラウマになって、体が硬直したり
怖さで違うことをしたり、動かなくなることもあるのです。
これがイプスです。

質問者さんは相当な数のダウンスイングの軌道をお持ちです。
どこに球を置いてもトウ側にしか当たらないのでしたら
無数に近い種類の軌道角度でいつも練習されていたということになります。

これが荒野の遠回りです。
球の位置を決めて絶対に動かさない、前傾角度は番手ごとに
絶対に変えない、スパインシャフト角やアームシャフト角も
どの番手も絶対に変えない事です。

また、エイミングとアライメントがズレていないか確認しながら練習をしないと
数十種類、数百種類の軌道角で振り下ろす練習を同時に行っていて
そのつど失敗経験が蓄積されて、イプス街道まっしぐらになるのです。

ゴチャゴチャ考えるから当たらないとか言って、何も考えずに
ただ上げてただおろしている人は、この荒野の遠回りをしている人です。
たまたま当たる時期があって、これで良かったんだと喜んで
ゴルフは理屈じゃないとか自慢するのですが、メカニズムを理解していない人は
当たらなくなったらもう戻せなくなるのです。

伊澤選手はマスターズで4位まで上りつめた人ですが(日本人では最高位)
ゴルフ自体を辞めるところまで落ち込んでいました。
勘の良い人は感覚だけで上手く行く事もあるのですが
一度崩れたら、頭で理解していないと治せないのです。

ゴルフはブレまくり、ズレまくりのスポーツです。
だから毎日調整をして、基準のポイントに動きを戻すのです。
この基点を作っていない人はどこに戻すのか分からないのです。

一ヶ所ズレたら、それをとんでもないところをいじって帳尻を合わせ、
またその弊害で違うところにズレが生じ、それを関係ないところで
帳尻を合わせて行くうちに大崩するのです。

全英オープンで優勝までした選手もゴルフを辞めています。
悩み切った挙句の果てにです。
まさにゴルフは一歩間違えると地獄なのです。

世界のトップにまで上り詰めた宮里藍選手も
とうとうメジャーに勝てないことで引退にまで追い込まれています。


ゴルフを甘く見るととんでもない事になります。
基礎からやり直し、今までの癖を治し、また一から
やり直すくらいの覚悟で修正しないと治らないかも場合もあります。
3年掛けてやり直した方が、結局は早いという事もあるのです。

一度、診断力があり、修正方法を知っている専門家に診てもらうと
即、解決の糸口が見えて来るかも知れません。
また、重症でしたらメンタルトレーニングも必要かも知れません。



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