2013年12月11日水曜日

押し込みと引き戻し


飛距離はヘッド・スピード(HS)とパワーの両方が必要です。
競技用のスイングは飛距離がどうしても必要ですので
方向よりも飛距離を優先する場合には両腕の力も使うことができます。

飛距離はヘッドスピードだけではありません。
パワーとは球を潰す力です。

お鍋で球を打っても球は潰れませんが、金槌で打てば潰れます。
重さやスイートスポットによって球に掛かる重量が違ってきます。

球はHSの1.5倍までの初速で跳ぶように作ることが許されていますので
これを最大に活用するにはインパクト時の重みが必要となります。

しかし大した違いのないクラブでゴルフは球を打ちますので
いかにインパクトで重さを出すかが差別化としての課題となります。

それはインパクトでしっかりと握ることや、硬いシャフトで押し込み、
引き戻しの力によって作ることができます。


打つ時に左手の親指で引っ張り過ぎると左の親指を怪我をすることがあり
トップから途中までは左手で下ろして来ますが、リリース時には右手でクラブを返します。
これが右手の押し込みです。

そして、この時に左手はむしろ逆方向に動かす力を加え、
左手で引き戻す動きで右手が左手を追い越す形になります。
これが左手の引き戻しです。

実際には左手は止まりませんが、戻す力を加え
その力が強いほどリリース速度が上がります。

リリース開始ポイントを遅くしたレイトヒティングには、
この瞬時のリリース速度が必要です。

この際、右手の人差し指の腹でクラブを返します。また、
右肘がトップで曲がったままその角度を保ちながらリリース時に
一気に伸ばしてクラブをリリースします。
右肘を伸ばして押し込み、右手首のスナップをつかってさらに加圧します。

この押し込みは野球のバッティングでも行われているテクニックで
バットを差し出しただけでは球の重さに負けて弾き返されてしまいます。

バットで打つ時には左手は固定し、右手の肘を伸ばして押し出して
球に負けないように押し返さなければなりません。
野球選手が跳ばす理由の一つにはこの右手の押し込みがあります。

ゴルフは球は動いてはいませんが、同じ力が掛かります。
リゾートゴルフでしたらクラブの重みだけで脱力して打てるのですが
スピンを掛けたり飛距離を出そうというパワフルなフルショットは
このインパクト時に全ての力を結集して球を潰します。

したがってインパクト時の形がトップ選手達はみなほとんど同じ形になっています。



インパクトの直前は右腕はまだ曲がったままです。
ここからフォローの間に右肘は完全に伸びます。

押し込みをするにはどうしてもこのインパクトの体の形が一番効率が良く
右肘を伸ばした際の移動距離が長く、より沢山押し込めることで
昔からこの形で打つようになっています。

右足重心、右足の蹴り、レイトヒティング、右腕の押し込み、左手の引き戻し、
ヒップターン、体重移動などは跳ばすために必要なテクニックです。
ボディーターンとレイトヒティングは一番難易度が高いのですが、その次に
この両手の使い方が難しいかもしれません。

ただ、あまり使いすぎると方向が悪くなりますので、
これらの全てを適度に取り入れることでタイミングが取り易くなります。
ゴルフの奥義としては大変重要なテクニックの一つです。





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