2013年12月20日金曜日
方向調整
スイングフォームの基本動作が完成し、これから球を打ち込んで
定着させる段階になったら方向調整を行います。
1 フェイスの向き
初心者に多いのはグリップによる引っ掛けです。
ストロング・グリップは女性や子供などの力のない人は良いのですが
男性の場合はヘッドが返り過ぎて引っ掛けたりフックになることが多いので
最初からグリップはスクエアで調整すると途中で変える必要がありません。
フェイスはソールが水平に地面に当たっている場合はフェイス面はスクエアなのですが
通常はトウダウンしたり、フルアンコックする分だけトウを浮かせて構えますので
その場合はフェイス面がスクエアに見えても、実際には左を向いています。
なぜかというと、実際にクラブをソールしてフェイス面を見てください。
そして、クラブを自分側に倒して地面に着けてみた時にフェイスはどっちを向いていますか?
目標を向いていますか?
そうです。これがクラブです。
同じ原理でつま先上がりではフェイスが左を向いてフックしますので、その分球を右に置くか
グリップを変えて開いて握るか、曲がる分だけ右を向いて調整します。
2 トップの深さ
調整段階ではトップの深さを含めた定着練習をします。
アイアンは浅く、ウッドは深くです。
ドライバーでシャフトが水平になる位置まで上げ、
PWはシャフトが垂直からちょっと過ぎた位置で切り返します。
間の番手は間の深さで止めます。(*)
トップの深さは前傾の深さによって変わります。
体が緩んでいて打つ場合には、その位置を一本ずつ覚える必要がありますが
体に張りのある打ち方をしている場合は前傾が深いほど腰が回らず
どの番手でもほとんど同じ張りで念転すると大体その位置で止まります。
初心者に多いのは体が緩んでいてショートアイアンなのに水平まで深く上がっていて
跳び過ぎたり引っ掛けたりすることです。
体の緩みをしっかりと治して、深くなり過ぎないようにする反復練習が必要です。
3 インパクト時の体の位置
スイング中に体は回転しています。
そして右にスエーしたり、左にスエーしたりもします。
果たしてインパクトで体が打つ形になっているでしょうか?
体がテイクバック時に右にスエーして戻りが悪いと引っ掛け
戻りすぎて突っ込んでいるとプッシュします。
また、側傾がインパクトで大きくなり過ぎたり、反り返りになるとフェイスが開き易くなって
プッシュしたりスライスしたりします。
ヒップターンにしても、体重移動にしてもインパクト直前には左足から垂直に立つ
壁を作って、その位置に体を移動してからリリースを開始するようにします。
したがって、腰は先回りして開いた状態で打つことになります。
4 インパクト時の手の位置
インパクトの瞬間に手はどこにあるかで球の方向が変わったり
球の高さが変わります。
アイアンで球が上がりすぎるという人はほとんど手が右側にあり
ハンドファーストにすることで修正できます。
インパクトでハンドファーストにならない人はリリースの開始位置が早過ぎです。
グリップエンドが球を過ぎてからリリースを開始し、それまではコックを解かない
くらいの意識でリリースを開始するとレイトヒティングになってハンドファーストになります。
また、球の(左側、ターゲット方向)を10cmほど先を見て打つと
球慣れした人は体が勝手にハンドファーストになったりします。
球を低く打つ場合はいかにハンドファーストで打てるかです。
ドライバーでも球は左に置きながらハンドファーストで、しかも真っ直ぐにフェイスを向けるので
球は低い弾道となってアゲインスト対策となります。
タイガーウッズはインパクトでは実際のロフト角よりも8度もフェイスが立って当たっていて
2番手分ほど長いクラブのロフト角になって、8番アイアンで200Y出すとのことです。
アマチュアはそこまでの技は必要はないのですが、クラブの構造上、ウッドでも
ロフトを立てて打つことで球が芯まで届くようになります。
ウッドでもハンドファーストでダウンブローで打つレイトヒティングは
スティンガーショットを打つだけではなく、mm単位で真芯に当てるためにも
必要だと考える人達の技といえます。
5 ローテーション
スイングとローテーションのタイミングによってフェイスの向きが違ってきます。
インパクト時の正しい手の位置に手が来た時に、左腕のローテーション(骨を軸とした回転)
の度合いによってフェイスの向きが変わってしまいます。
インパクト時のフェイスの向きは右手の形で決めます。
フェイスを返さない打ち方と、フェイスを返す打ち方の2種類を
インパクト時の右手の押し込み時の形で覚えて方向を出します。
トップの深さでタイミングが狂いますが、少しでも右手で補強する意味でも
インパクト時の手首の形は大変重要です。
この形によって左腕のローテーションの度合いが決まります。
回り過ぎればフックになり、足りなければスライス球になります。
野球選手に多いのですが野球のバッティングの押し込みで打つとほとんどスライスします。
これをバットを返す打ち方にするとスライスがほとんど止まります。
これはインパクト時にフェイスを返さないのでローテーションが足りなくなりがちで
ショートゲームなどではフェイスをインパクトでスクエアにする余裕はありますが
速いフルスイングはフォローでフェイスを返さないと間に合わないことがほとんどだからです。
5 球の位置
球はオープンスタンスの場合には常に左足かかと前に統一します。
スクエアスタンスの場合には、PWで両足の真ん中、そして
DRで左足カカト前にし、番手15間隔(*)をその間で割った位置に置きます。
例えばPWは両足の真ん中、ドライバーは左足カカト前なので、UTはその
中間あたりに置いて打ちます。
トップの位置が定まったら、この球の位置を決めます。
シャフトの長さや力によって個人差がありますので
実際に反復練習をしながら定着させていく必要があります。
精度にこだわる上級者は球の位置は番手15間隔方式で1cmずつずらして置くと、
正確な位置を明確にすることができます。
6 シャフトのトルク
シャフトはスイング中に捻れてフェイスが開いたり閉じたりします。
柔らかいシャフトはその度合いが大きいので、
硬いシャフトで打って真っ直ぐ打てる人が、柔らかいシャフトを使うと右にでることがあります。
これはインパクト時にフェイスがシャフトの捻れた分だけ開いていて
スクエアに戻っていないということです。
したがって、トルクの少ないスティール・シャフト、DGのSやXなど
NSでも一番硬い物で1.8以下の物を使う必要があります。
女子でもちょっと柔らかめなスティールか硬いカーボンがお薦めです。
(*) 番手15間隔
クラブの番手はPW~DRまでシャフトの長さの違いは16本分です。
PW(SW)、9、8、7、6、5、4、3、2、1(7W)、6W、5W、4W、3W、2W、DRで
その間はハーフインチずつ長さが違います。
(最近の長尺ブームはこれを無視してシャフトを長くしていますが)
この番手間は15あり、スタンスの幅、球の位置、前傾角を15種類にすると
物理的にロジカルなパターンを作ることができます。
前傾はDR~PWまで15度の差を作り、スタンス幅、球の位置も15刻みにすることで
一種類のスイングをしてどの番手でも真っ直ぐに打てるようになります。
同じトップの位置、そして体に対して同じ軌道角度で、どの番手も振ることで
シンプルなワンスイングが完成します。
0 件のコメント :
コメントを投稿