2013年12月27日金曜日

ヒップターンとヒップスライド


文字通りヒップターンは腰の回転、そしてヒップスライドは
インパクト前に腰を左にスライドさせるボディーターンの方法をいいます。

ヒップスライドは体重移動によって体重を乗せる打法に使われ
右脚のツッパリや蹴りでパワーを出す打法ではヒップターンになります。

そしてこの両者ともインパクトの形を作ってからリリースをして打つために、
ヒップターンでも多少の体重移動は必要です。
また、ヒップスライドで左体重で打っても腰は後から開きますが
ほとんど腰の開きには力がないためにスライドに分類されます。

ヒップスライドは大きく体重を右から左に移動するため
右脚は曲がったまま引きずるように膝が左足に着くように右足もスライドします。
トップの位置で体重を移動しながら左足を踏み込んで左に壁を作って
その位置に体が移動してから打ちます。

この打法は体重を使うために力があまり必要なく
リゾートゴルフやクラシカルな打法に良くみられ
完全に左に体重が移動する前に多少の右脚のツッパリを使うと
中期のジャック・ニクラウスのような、より力強い打法となります。

最近は体重移動はほとんど使わずに右脚のツッパリや蹴りだけの
ボディーターンで打つ選手も増えてきましたが
スタック&ティルトはワインディングの捻り上げが強いため
テイクバックの速度が非常に速く、体重を移動している暇がないため
最初から左寄りからさらに左に体重を移動している最中にインパクトという打法で
タイガーウッズが2000年に改造を着手した打ち方です。

スタック&ティルトは右脚のツッパリや蹴りを使えないだけでなく
大きな体重移動も使えないために、ヒップスライドが使えず
ヒップターンも力強さがないために飛距離を抑えた打ち方に分類されます。

これは方向性を重視した打法なのですが、トップの位置でタイガーウッズは
両足で蹴る動きをいれて、その上下運動をヒップターンで回転に変えて
少しでも飛距離が出る打ち方にアレンジしています。
師匠のショーンの打ち方に比べると、沈み込みや両足の伸ばしが大きいので
その分飛距離が伸びています。

完全な体重移動で打つ場合は、跳ばそうと力んだ場合には
左の壁を行き過ぎてスエーしてプッシュをしたり
それを怖がって移動が少なくなると左に引っ掛けたりし易くなります。

ヒップターンは多少の体重移動を入れないと、その場でヒップターンをすることになり
スイングプレインの半径が短くなったり、軸が逆回りしてブレ易くなったり
空中で回転しているような弱々しいボディーターンになります。

体重移動は体重を乗せることができ、ヒップターンは下半身の力を込めることができますので
どちらも長所があるのですが、モダンスイングではスタック&ティルト以外は
多少の体重を移動させたヒップターンが主流となっています。

2013年、ヘンリック・ステンソンは史上初めて欧米両方の年間王者となりましたが
彼の打法は背骨軸の体重移動を使った上に、ワインディングを使ったスタック&ティルトの
両方を組み合わせた打ち方で320~340Yの安定したドライバーを打ち
大変難易度の高い打法を完成させています。

飛距離と方向の両方を諦めない打法としては最初の画期的な打ち方で
このまま長年に渡って問題がなければ、
これが世界の進化した打法になるかも知れません。






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