2016年4月22日金曜日

年寄り向けのクラブとは?


Question

年寄り向けのクラブと良く聞くのですが、
同じクラブで何がそんなに違うのでしょうか?


Answer

クラブで大切なことの一つにインパクトの重量があります。
飛距離はヘッド速度(HS)と重量が重要で
ヘッドが速いだけでは飛びません。

これはハエ叩きのような枝が柔らかく、頭が軽い物では
ゴルフボールを動かすことすらできないことで分かります。

ところが、金槌で叩いたらどうでしょう?
球はつぶれて、その反発力で跳んで行きます。

ゴルフのクラブはドライバーで軽い物と重い物だと
100gほどの違いがあります。

パーシモンの時代は350g~400gは普通でした。
そしてウエイトバランスはD2と現在と全く変わっていないのですが
総重量はジジイ向けと言われるクラブは相当軽く作られています。

クラブは100gも違っているのに、球の重さは同じです。
果たしてインパクトの衝撃はどうなのでしょうか?

力がないから軽いクラブにしたい、という高齢者がいるのですが
そのくせ飛距離が落ちると文句をいいます。

球はハエ叩きとまではいいませんが、軽いヘッドで打っても
なかなかつぶれません。
球は1.5という反発力で、真芯を捉えるとHSの1.5倍の初速があります。

しかし、これはハエ叩きを使っても出ません。
十分な重さの物がぶつからないと十分に1.5はでないのです。

では、その分岐点はどこかです。
諸説はあるのですが、320cc時代につくられた時のヘッドの重量だそうです。
長尺ブームが90年代後半から始まり、ヘッドが大きくなるにしたがって
どんどん軽量化が進み、320cc以降の軽量化は重量的には行き過ぎだといいます。

だからと言って320ccのヘッドを使うのが一番良いかというと
そうでもありません。
やはりヘッドは大きいほどスイートスポットが大きいので有利です。

したがって、重くて大きなヘッドがベストということになり
460ccの現在のヘッドに鉛を貼って重くするとそれが実現できるのですが
今度はウエイトバランスが重過ぎて振り難くなったり怪我をしたりします。

そこで、長尺時代以前の43インチや42インチ程度の長さにして
D2になるまで鉛を貼るようにすると、軽いヘッドでも重くできて
しかも短いのでミート率も上がるのです。

実はHSが(ショップ計測)50以下のゴルファーは45インチでも43インチでも
HSはほとんど変わりません。
また、HS55m以下の人は44インチにしても1m程しか遅くなりません。

長くすればそれだけHSが上がると単純に思っている人が多いのですが
ほとんどのアマチュアにとっては無駄に長いだけなのです。

これは長尺ブームで販売側が作り上げたテクニックに
消費者がまんまと乗せられているようなものなのです。

問題はいわゆる、当たり負けです。
球の重さは昔と変わっていませんので、100gも軽い物で打っても
昔ほど飛ぶ分けがないのです。

2000年以降はハエ叩きに近づいて行ったということです。
2インチ長くしても、ほとんどのアマチュアにはそのメリットはありませんので、
芯を外し安く、当たり負けして球を十分に潰せずに球自体の
反発力を十分に使っていないというデメリットばかりなのです。

また、軽量化によってシャフトまで軽くしています。
軽いということはそれだけ肉厚が薄いということで、捻じれ易いということです。
芯を外してトウ側に当たるとフェイスが開いてプッシュやスライスになるのです。

シャフトは硬い方が軽く感じるという人もいて、軽くて長いシャフトが
果たして老人に優しいかというと、これも販促理論なのかも知れません。

10gの差は1円球10枚です。
1円球を10枚持ってスイングしてみてください。
重いですか?
セーター一枚脱いだ方が、ずっと軽くなりませんか?

そして、軽いクラブだと力み易いこともあります。
当たり負けして初速が遅いので、ついつい力が入る
という傾向性も否めません。

シャフトはもともと柔らかいので当たり負けしている感触すら
感じないほどになっています。
モデルチェンジするためにヘッドを大きくし、シャフトを長くし、
HSが上がる度に買いなおさせるために柔らかいシャフトから売り、
計測器を上乗せし、フレックス表示をずらして新しい物を薦めます。

加齢によってHSが落ちるので軽いクラブを買いましょう!
というまた新たな販促理論を展開しているようですが、
50代で高齢だと思って軽量化しようと考えている人は
まず、ゴルフへの姿勢を正す必要があるかも知れません。

メーカーは良いクラブを作るのではなく、売れるクラブしか作りません。
これをしっかりと覚えておいてください。















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