2017年4月4日火曜日

左膝の動きについて


Question

先日、練習場でボールを打っていたら、
ちょうど前打席でレッスンプロが教えていました。
その時に、「バックスウィングの時、左膝を右に寄せては
右に向けては)いけません。
ダウンスウィングで腰を回転しやすいようにするためです。」
というような内容の話をしていました。

レッスン相手は結構上手な人(シングルほどではないですが)でした。
腰を回そうとすると、自然に左膝は右に寄るような(右に向くような)
気がするのですが、どういうことなのか気になりました。


Answer

もともとテイクバックで左の膝をどうするかは時代によって違います。
ベンホーガンやサムスニードなどのクラシック時代には
この膝は自然のままに内側に向き、左のカカトが上がって腰を十分に
回せるように打っていたのです。

ところが、ジャックニクラウスやトミワトソンなどの中期になると
テイクバックで腰があまり回り過ぎると体が揺るむ事があって
軸がブレて軌道がくるってしまうなどのミスが生じ易いとして
左の膝をできるだけ内側ではなく前に出すようにしたのです。

すると腰はそれまでよりも回転しなくなり、体に張りができたのです。
そのために僅か数%でも緩んだショットが軽減され、
フォーム自体が進化しました。

そして80年代後半にはフレッドカプルスやデイビスラブなどが
この腰を止めたテイクバックで飛距離を伸ばしたのです。腰は
さらに止められて、さらにブレをなくなり、張りを作って方向や飛距離までも
その力によって出すという新たなワインディング(コルキング)という技術へと
進化して90年代には主流となったのです。

これはできるだけ腰を回さずにテイクバックするために、左の膝があまり
前にも出なくなり、カカトも上がらなくなったのです。
当時はベタ足打法として話題になっていたのですが、
現在はカカトを上げる人がいなくなったので定番と化したのです。

腰を止めてテイクバックすると非常にきついのですが、それが
30年以上前から始まった新しい現代のモダン打法なのです。

この度合いは個人によって違いますが、欧米のトップ選手であれば
少なからず全員が捻り上げるというテイクバックをしています。


さて、ご質問なのですが、膝を内側に出してはいけないという指導は
30年以前までの打法のことで、しかも理由が違います。
確かにテイクバックで右に回転していないと、
左への回転は楽になるかも知れませんが、それが目的ではなく、
体に張りを作り、軸がブレずに飛距離を出せる事がその理由なのです。

どの時代の打法でも間違いではありません。
どこまで精密さを追求するか、どこまで飛距離を伸ばすかなど
それぞれに目的や目標が違うために選択肢としてアリだと思います。

ただ、タイガー打法はまだ日本のプロ選手界には上陸していませんが
最新の打法を習得されるのでしたら、欧米選手の打法が良いと思います。



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