2017年10月8日日曜日

下半身の動きに急ブレーキ?!


Question

「下半身の動きに急ブレーキをかけてヘッドを走らせる」
理論は正しいと思いますか?

最近のゴルフ雑誌で、特にマキロイを取り上げ、
「インパクト直前に下半身の動きを止めると、ヘッドがビュン!
と走る」という理論を展開していますがデタラメだと思っています。

下半身を止めた場合、下半身に対して
相対的にヘッドのスピードは上がりますが、置いてあるボールに対しては
変わらないか、むしろ遅くなると思います。

そもそもマキロイの下半身がスイング中に急停止しているのは、
欧米流の「腰を回すのではなく、切る」動きをしている結果だと思います。


Answer

雑誌で最近、やっと腰の逆回転が取り上げられるようになりました。
これは日本のレベルが少しは世界レベルに近づいた事なのかも知れません。

しかし、急ブレーキだとか下半身の動きを止めるなどと
まだ、その動きの本質に迫った内容ではありません。

腰の回転が一瞬止まったり逆回転するのは、本来
上半身の捻転戻しの動きの作用によるもので、
腰の回転を止めてヘッドが追い越すのを待つとか、下半身全体を
止めるなどという事ではありません。

また、蹴りのタイミングが早い場合、腰がスムーズに開かず
歪で腰が一瞬止まる事がありますので、腰が止まれば
ヘッドが走るなどという単純な物ではないのです。


腰はある程度開くと、そ以上はあまり力が入りません。
それを開くには右脚を使うか、遠心力を利用するしかなく、
パワーの源としての動きではないのです。
もちろん、これらの力も使うのですが、さらに上半身の捻りを戻す事で
相当なパワーが出るのです。

テイクバックで右に上半身を捻り、ダウンスイングでは腰を開いて
その捻転差を維持しながら降りて来るのですが
途中で上半身が下半身を追い越します。

そこで、上半身の捻じれを戻してインパクトにパワーを加えますので
その際に右脚を突っ張るか蹴るかで地面を押し、そこを支点として
胴回りの筋肉によって同時に上半身を走らせます。

この際に胴回りに力を入れることによって腰は逆回転する力が加わります。
この逆回転の力が大きければ実際に腰は逆に動き、少なければ
一瞬止まるだけにとどまります。

最後の押し込みは、この右脚を使った捻転戻しをしながら
右肩を目標方向まで回転させる事で、右腕と右脚を
背伸びをするくらい伸ばした形で押し込むと
右肩は一瞬たりとも止まることなく目標方向まで回転します。

最近は右脚の蹴りが大きなジャスティントーマスを始めとする
トップ選手達が目立ち、やっと日本のツアープロコーチと称する解説者が
「今風のスイング」と解説しているのですが、これは
タイガー打法として30年前から行っている飛ばしの技の一つです。

このように体全体を使った打ち方が30年前に広がり始め、
その後世界の主流となっているのですが、
これは飛ばしの技のごく一部に過ぎません。
まだまだ日本ではこれらの技が上陸していませんので
飛距離で世界に追いつく事ができないのです。

腰の回転にブレーキを掛けるなどと言う表現を使う事自体
本質からずれた解釈で混乱を招く事になるかと思います。

鎖国精神は未だに日本に根付き、ガラ系打法を上下関係で押し付ける
という社会の構造がある限りは永遠に遅れを取り戻す事ができない
のかも知れません。

若者達は世界に目を向けて、日本のゴルフ界の古い封建的な体質を改善し
30年のギャップを早く埋めていただきたいと思います。




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