2016年3月11日金曜日
タメを作るには重いシャフト!?
Question
タメを作る為には皆様の様に手首が慣性に負けるような
重いシャフトを使わないと駄目でしょうか?
Answer
そもそもタメとはエネルギーを貯めて一気に放出することをいうのですが
人によって違う意味や内容として使われることがしばしばあります。
ご質問のタメとは重さに関するようですので、ムチ効果として
ヘッドが後から降りて来るような腕、手首、クラブのしなりを意味しているのかと思います。
ヘッドを走らせるにはこのムチ効果の時間差が必要です。
グリップをユルユルにしておくと手の中で遊びが生じて
ヘッドが後からしなるように追いかけてきて手を追い越すことでHSが上がります。
また、そのしなりによって体の近くをヘッドが通りますので
慣性モーメントの原理でHSが上がるのですが、クラブが重いから
という原理とはまた違います。
しかも、クラブを重くするならシャフトではなくヘッドを重くしないとその効果はありません。
しかし、本来のタメとは性質が違う効果ですので、ここでは
筋肉にエネルギーを貯めるタメのお話をしたいと思います。
このタメは体全体の筋肉を使うことができます。
特に胴回りの筋肉や腹筋や背筋など、力強い太い筋肉を使うと
飛距離はこれだけで20~40Y近くは伸びるかと思います。
タメの原理はこうです。
人間は背筋と腹筋のように両側に筋肉がついていて
真っ直ぐに立っていられるようにバランス良くついています。
この両方の筋肉に力を入れると、どちらにも倒れないのですが
その筋肉の張りでエネルギーが貯められます。
そして瞬間に背筋を緩めると、一気に前に倒れます。
これが張りの開放です。(リリース)
両側から引っ張った時にできるのが張りで、それが
タメとなるので、スイングはダウンスイングの直前でタメて
それを一気に開放することでパワーを生み出せるのです。
ボディー全体は弓になってエネルギーを貯めます。
これはバンプ時に腰を開いての捻り、体を弓なりにして
さらに沈み込んで圧縮する3つの張りでタメることができます。
これが弓矢の弓の役目をして、その力をクラブに伝えます。
クラブは肩の回転から手首を通ってしなやかにしなりながら
力が伝えられ、最終的にヘッドにパワーが伝わります。
これがムチの動きです。
体は始動が足からで徐々上に上げられて、腰、肩と
伝わって最後にヘッドでムチのように速い速度で打つことができるのです。
この弓とムチのように体全体のしなりを使ってエネルギーを貯めて
それをリリースすることで速い横の動きを作ります。
そして、両腕を巻き割りのように落とし、右手で突き刺す縦の動きをマッチさせて
超高速なHSが生まれ、同時にパワーで球をつぶすことができるのです。
したがって体には打つ寸前にマックスの力が入り、グリップは
その後のインパクト直前でマックスになり、体先行で
ヘッドは最後に降りてきてインパクトになるのです。
このような原理によって、重いシャフトとは何ら関係がありません。
重いシャフトはトルクが低いので、芯をは外した時のたわみが少なく
方向性が良いというメリットは確かにあります。
タメは腰を止めるワインディング技術によってさらに張りを強くすることができます。
一番太い筋肉にタメを作ることができますので、これだけで
さらに飛距離を伸ばすことができるのです。
また、リリースを遅らせる動作でのタメ、右足を固定した脚全体のタメ、
右腕のスナップや腕の三角形に貯めるタメなど
しなる部位にはすべて張りを作ることができるのです。
トップで止まるだけのことをタメとかいう人がいますが
本来の張りを作るタメの動作とは見た目はあまり変わりません。
一瞬止まって見えるのですが、その間合いの時間をタメというのではなく
筋肉にどれだけエネルギーが蓄積されて張りができたかが重要で
ワンテンポ置いてという指導はこのタメの本来の意味合いではありません。
トップでの間合い、一拍置いてという指導は体重移動ができなくてダフる場合や
切り替えしが早すぎる場合などで、トップで急がずに体重移動が開始されてから
切り返せという意味ですので、本来のタメの意味とは違うことになります。
プロとアマの大きな違いはこのタメとムチにあります。
これらの動作はクラシック時代から現在まで変わっていません。
また、この動作の習得に大きな壁があります。
この壁を突破しないとプロ級の飛距離は出ません。
筋力で叩き打ちや落とし打ちをすれば、ある程度飛距離は出るのですが
方向が悪く通常のゲームでは使い物にならないことがあります。
ゴルフは全身を使って打てば楽に軽く飛距離を出すことが可能なのです。
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